208号 2024/01

2024年度介護報酬改定動向(3)――ケアマネジャーとして知っておきたい改定項目

1月22日、社会保障審議会・介護給付費分科会は、介護報酬の見直し案を了承した。厚生労働省は今後、パブリックコメント募集の手続きを進め、新たな基本報酬・単位数は年度内に告示し、併せて関連通知なども出す予定だ。

2024年度介護報酬改定は、訪問看護、訪問リハビリテ-ション、居宅療養管理指導、通所リハビリテ-ションは診療報酬改定が6月1日施行に併せて6月1日実施。その他の介護報酬は4月1日施行となる。処遇改善関係加算の加算率の引上げについては6月1日施行だ。これを踏まえ、加算の一本化についても6月1日施行となるが、現行の処遇改善関係加算の事業所内での柔軟な職種間配分を認めるルールについては、4月1日施行。処遇改善加算は、居宅介護支援や訪問看護、訪問リハビリテ-ションは今回も対象外となる。

介護保険施設の居住費は8月1日施行、新たに老健施設などの多床室の室料負担は2025年8月1日施行となった。

基本報酬は介護事業経営実態調査をもとに訪問介護などは引下げ――老健や特養は引上げ

基本報酬については、介護事業経営実態調査で初の赤字となった介護老人保健施設と特別養護老人ホームの引き上げ幅を大きくした。他方、訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護など4サービスは引き下げとなった。

2024年度改定では、改定率1.59%増の財源のうち、0.61%分を基本報酬などの見直しに充てた。基本報酬などの見直しには介護職員以外の処遇改善分も含むとされている。

老健施設の基本報酬は、「基本型」では多床室・ユニット型ともに最高で1%台前半の増点とした。引き続き拡充を図る「在宅強化型」は最大4%台前半とした。特養の基本報酬は、「地域密着型」を従来型・ユニット型ともに、要介護1~5の全てで3%程度引き上げる。従来型・ユニット型は、2%台後半の増額。介護医療院は、比較的重度の要介護者に対応する「I型」について、要介護度を問わず基本報酬を1%程度増額する。通所介護は0.5%程度の引き上げ、訪問看護は0%台前半のプラスとし、一部の加減算を除き、基本報酬は1単位~2単位引上げた。居宅介護支援は、1%前後の引き上げとなった。

今回はケアマネジャーとして知っておきたい訪問・通所系サービス、短期入所サービスなどの改定概要を掲載する。

居宅介護支援費の引上げ、入院時情報連携加算(I)(II)引上げ――同一建物5%減算も新設

今改定から、ケアマネジャー1人当たりの取扱件数が、基本報酬における取扱件数との整合性を図る観点から、居宅介護支援事業所ごとに1以上の員数の常勤のケアマネジャーを置くことが必要となる人員基準について、ア 原則、要介護者の数に要支援者の数に3分の1を乗じた数を加えた数が44又はその端数を増すごとに1。イ 居宅介護支援事業者と居宅サービス事業者等との間において、居宅介護サービス計画に係るデータを電子的に送受信するための公益社団法人国民健康保険中央会のシステムを活用し、かつ、事務職員を配置している場合においては、要介護者の数に要支援者の数に3分の1を乗じた数を加えた数が49又はその端数を増すごとに1、に見直しされる。基本報酬は以下のとおり。

居宅介護支援費(I)・居宅介護支援費(II)を算定していない事業所

○居宅介護支援(i)のみ記載

<現行> <改定後>

a 要介護1又2       1,076単位 1,086単位

b 要介護3、4又は5   1,398単位 1,411単位

居宅介護支援費(II)

・指定居宅サービス事業者等との間で居宅サービス計画に係るデータを電子的に送受信するためのシステムの活用及び事務職員の配置を行っている事業所

○居宅介護支援(i)のみ記載

<現行>      <改定後>

a 要介護1又2       1,076単位    1,086単位

b 要介護3、4又は5  1,398単位      1,411単位

介護予防支援費は、今回から事業所が新規で受ける場合が新設。地域包括支援センターが行う場合438単位→442単位。指定居宅介護支援事業所が行う場合(新規)472単位に決まった。

特定事業所加算は各項目で14単位引上げ。算定要件も以下のとおりとなった。

(参考1) 特定事業所加算の算定要件見直し項目など

※クリックすると大きく表示されます。

(出典 第239回社会保障審議会・介護給付費部会(2024年1月22日開催)厚生労働省ホームページ)以下も同様

同一建物居住利用者の減算制度も新設された。所定単位の95%(5%減算)となった。対象者は(1)居宅介護支援事業所の所在する建物と同一の敷地内、隣接する敷地内の建物又は居宅介護支援事業所と同一の建物の居住利用者と(2)居宅介護支援事業所における1月当たりの利用者が同一の建物に20人以上居住する建物(1を除く)の居住利用者だ。

テレビ電話や他サービス事業所との連携によるモニタリングも認められる。要件として(1)利用者の同意を得る。(2)サービス担当者会議等において、次に掲げる事項について主治医、担当者その他の関係者の合意を得ている。①利用者の状態が安定している。②利用者がテレビ電話装置等を介して意思疎通ができる(家族のサポートがある場合も含む)。③テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは収集できない情報について、他のサービス事業者との連携により情報を収集する。(3)少なくとも2月に1回(介護予防支援の場合は6月に1回)は利用者の居宅を訪問することも正式に決まった。

居宅介護支援費の各種加算の評価――初回加算、退院・退所加算は据置、入院時情報連携加算は見直し引上げ

 初回加算(300単位/月)と、退院・退所加算は報酬、算定要件とも据置となった。入院時情報連携加算(I)は200単位/月から250単位/月、(II)は100単位/月から200単位/月に引き上げられた。算定要件は(1)入院日のうちに情報提供。入院日以前の情報提供を含む。なお営業時間終了後または営業日以外の日に入院した場合、入院日の翌日を含む。(II)は入院日の翌日またと翌々日に情報提供した場合。営業時間終了後に入院した場合で、入院日から起算して3日目が営業日でない場合は、その翌日を含む。通院時情報連携加算(50単位)も据置。ただ歯科医師の診療にケアマネジャーが同席した場合でも算定可能となった。

ターミナルケアマネジメント加算(400単位)は報酬据置。ただ在宅で死亡した利用者は末期がん以外でも対象となる。算定要件として「終末期の医療やケアの方針に関する当該利用者又はその家族の意向を把握した上で」が追加。死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上、利用者又はその家族の同意を得て、利用者の居宅を訪問し、利用者の心身の状況等を記録し、主治の医師及び居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業者に提供した場合は、1月につき所定単位数を加算する。なお、特定事業所医療介護連携加算の算定要件としてターミナルケアマネジメント加算5回以上算定から15回以上算定へと見直しされている。

なお、退院後早期に介護保険のリハビリテーションを開始することを可能とする観点から、ケアマネジャーが居宅サービス計画に通所リハビリテーション・訪問リハビリテーションを位置付ける際に意見を求めることとされている「主治の医師等」に、入院中の医療機関の医師を含むことが明確化されている。

業務継続計画未策定事業所に対する減算制度などの新設――居宅介護支援は2025年3月31日まで経過措置

 全サービス(居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く)に業務継続計画未実施減算が新設。施設・居住系サービスは3%、その他サービスは1%減算だ。以下の基準に適合していない場合減算となる。(1)感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定すること、(2)当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずること。

なお、2025年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算を適用しない。訪問系サービス、福祉用具貸与、居宅介護支援については、2025年3月31日までの間、減算を適用しない。

居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く全サービスに高齢者虐待防止措置未実施減算(1%減算)も新設。算定要件等は虐待の発生又はその再発を防止するための以下の措置が講じられていない場合となった。必要な措置は①虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等の活用可能)を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図る。②虐待の防止のための指針を整備する。③従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施する。④上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

高齢者虐待防止の推進策として、全ての施設・事業所で虐待防止措置が適切に行われるよう、2024年度中に小規模事業所等における取組事例を周知するほか、介護サービス情報公表システムに登録すべき事項に虐待防止に関する取組状況を追加する。また、指定権者に対して、集団指導等の機会等にて虐待防止措置の実施状況を把握し、未実施又は集団指導等に不参加の事業者に対する集中的な指導を行うなど、高齢者虐待防止に向けた取組の強化を求めるとともに、都道府県別の体制整備の状況を周知し、更なる取組を促すとなっている。

身体拘束廃止未実施減算も新設。1%減算となる。減算対象は短期入所系サービス、多機能系サービス。1年間の経過措置が設けられる。訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、居宅介護支援には減算制度は設けられないものの、利用者又は

他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないこととし、身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録することを義務付ける。

小規模多機能型居宅介護などの総合マネジメント体制強化加算の見直し――要件に応じて2区分に

ケアマネジャー評価に関連して、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護の総合マネジメント体制強化加算1,000単位/月が、加算(I)1,200単位/月と加算(II)800単位/月に区分される。(I)では日常的に利用者と関わりのある地域住民等の相談に対応する体制を確保していることや必要に応じて、多様な主体が提供する生活支援のサービス(インフォーマルサービスを含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成しているなどが要件化されている。

訪問系と短期入所系サービスの新評価――口腔連携強化加算50単位/回の新設

訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護及び定期巡回・随時対応型訪問介護看護に、職員による利用者の口腔の状態の確認によって、歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげる観点から、事業所と歯科専門職の連携の下、介護職員等による口腔衛生状態及び口腔機能の評価の実施並びに利用者の同意の下の歯科医療機関及びケアマネジャーへの情報提供を評価する新加算、口腔連携強化加算50単位/回(1月に1回)が新設された。算定要件として「事業所は利用者の口腔の健康状態に係る評価を行うに当たって、診療報酬の歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、当該従業者からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていることだ。

居宅療養管理指導費は1単位引上げ――算定回数の見直しなど

医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士が実施する居宅療養管理指導費は基本報酬が1単位引上げられている。算定回数上限見直しもある。終末期がん患者の歯科衛生士等による歯科衛生指導を充実させる観点から、1月4回限りとされている制限ががん末期の利用者

については、1月に6回まで認められる。管理栄養士の訪問回数も特別指示の要件が新設。特別の指示に基づく管理栄養士による居宅療養管理指導は、その指示の日から30日間に限り、従来の居宅療養管理指導の限度回数(1月に2回)を超えて、2回を限度として行うことが認められることになった。

なおオンライン服薬指導については46単位/回と1単位引上げ、1月の上限も4回、初回から算定可と診療報酬に併せて緩和されている。

訪問看護の基本報酬引上げ――緊急時訪問看護加算など各種加算見直しへ

訪問看護では訪問看護ステーションの場合、基本報酬が1単位~3単位引上げ。医療機関の訪問看護も1単位~2単位引上げとなった。緊急時訪問看護加算(訪問看護ステーションで574単位/月)が(I)600単位/月と(II)574単位/月に区分。(I)の要件は①利用者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にある。②緊急時訪問における看護業務の負担の軽減に資する十分な業務管理等の体制の整備が行われている。(II)は①が要件。なお、今回の改定で24時間対応について、看護師等に速やかに連絡できる体制等、サービス提供体制が確保されている場合は看護師等以外の職員も利用者又は家族等からの電話連絡を受けられる。ただし(1)看護師等以外の職員が利用者又はその家族等からの電話等による連絡及び相談に対応する際のマニュアルが整備されている。(2)緊急の訪問看護の必要性の判断を保健師又は看護師が速やかに行える連絡体制及び緊急の訪問看護が可能な体制が整備されている。(3)当該訪問看護ステーションの管理者は、連絡相談を担当する看護師等以外の職員の勤務体制及び勤務状況を明らかにする。(4)看護師等以外の職員は、電話等により連絡及び相談を受けた際に、保健師又は看護師へ報告する。報告を受けた保健師又は看護師は、当該報告内容等を訪問看護記録書に記録する。(5)(1)から(4)について、利用者及び家族等に説明し、同意を得る。(6)指定訪問看護事業者は、連絡相談を担当する看護師等以外の職員に関して都道府県知事に届け出ることが要件となった。

その他や緩和ケアなど特定行為研修修了者を配置した場合「専門管理加算」250単位/月や初回加算300単位/月を(I)350単位/月(退院・退所日)、(II)300単位/月(退院・退所日の翌日以降)に区分された。ターミナルケア加算も診療報酬と同等に2,000単位から2,500単位に引上げられた。

退院時共同指導加算の指導内容については文書以外での提供も認められることになった。

適正化として理学療法士等による訪問看護が減算となる。理学療法士等のサービス提供状況及びサービス提供体制等加算の算定状況に応じ、理学療法士等の訪問における基本報酬及び12 月を超えた場合の減算が新設。①訪問看護事業所における前年度の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えている。②緊急時訪問看護加算、特別管理加算及び看護体制強化加算をいずれも算定していないことが要件。

(参考2)理学療法士等による訪問看護の評価の見直し

※クリックすると大きく表示されます。

訪問介護が基本報酬引下げ――同一建物等居住者をさらに適正化

訪問介護の基本報酬は引下げ。身体介護では所要時間に応じて2単位から9単位、生活援助も2単位から5単位引下げとなった。厚生労働省によると訪問介護は、処遇改善加算について、今回の改定で高い加算率としており、賃金体系等の整備、一定の月額賃金配分等により、まずは14.5%から、経験技能のある職員等の配置による最大24.5%まで、取得できるように設定したと説明している。(I)20%加算と(III)10%の体制要件として「病院、診療所又は訪問看護ステーションの看護師との連携により、24時間連絡できる体制を確保しており、かつ、必要に応じて訪問介護を行うことができる体制の整備、看取り期における対応方針の策定、看取りに関する職員研修の実施等」その他特定事業所加算も見直しされている。(V)3%加算の体制要件では「利用者の心身の状況またはその家族等を取り巻く環境の変化に応じて、訪問介護事業所のサービス提供責任者等が起点となり随時介護支援専門員、医療関係職種等と共同し、訪問介護計画の見直しを行っている」こと追加されている。

同一建物等居住者の減算制度も①10%減算=事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物居住者(②と新設④除く)②15%減算(①のうち1月あたり50人以上)③12%減算が新設された。③10%減算(①以外の範囲に所在する建物居住者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり20人以上の場合)に④12%減算(正当な理由なく、事業所において、前6月間に提供した訪問介護サービスの提供総数のうち、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する者(②に該当する場合を除く)に提供されたものの占める割合が100分の90以上である場合が新設。

訪問入浴介護は6単位、予防訪問入浴介護は4単位基本報酬の引上げがあった。また看取り連携体制加算64単位/回が新設。算定は死亡日及び死亡日以前30日以下に限る。利用者の基準は(1)医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者である。(2)看取り期における対応方針に基づき、利用者の状態又は家族の求め等に応じ、介護職員、看護職員等から介護記録等利用者に関する記録を活用し行われるサービスについての説明を受け、同意した上でサービスを受けている者(その家族等が説明を受け、同意した上でサービスを受けている者を含む。)である。事業所基準は(1)病院、診療所又は訪問看護ステーション(以下「訪問看護ステーション等」という。)との連携により、利用者の状態等に応じた対応ができる連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて当該訪問看護ステーション等により訪問看護等が提供されるよう訪問入浴介護を行う日時を当該訪問看護ステーション等と調整している。(2)看取り期における対応方針を定め、利用開始の際に、利用者又はその家族等に対して、当該対応方針の内容を説明し、同意を得ている。(3)看取りに関する職員研修を行っている。

訪問リハビリテ-ションは予防を引下げ――予防の減算は要件を新設へ

訪問リハビリテーションと介護予防訪問リハビリテーションの基本報酬に格差がついた。訪問リハビリテ-ションは307単位/回から308単位/回へ引上げ。一方介護予防訪問リハビリテ-ションは307単位/回から298単位/回に引下げされた。ただ介護予防の利用開始日の属する月から12月超5単位/回減算は大きく見直しされる。要件を満たさない場合は30単位/回減算となる。一方減算を行わない基準として①3月に1回以上、リハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションに関する専門的な見地から利用者の状況等に関する情報を構成員と共有し、リハビリテーション会議の内容を記録するとともに、利用者の状態の変化に応じ、リハビリテーション計画を見直している。②利用者ごとのリハビリテーション計画書等の内容等の情報を厚生労働省に提出し、リハビリテーションの提供に当たって、情報その他リハビリテーションの適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していることとなった。減算適応外要件は介護予防通所リハビリテ-ションにも適応され、要支援1の20単位/月、要支援2の20単位/月から、要件を満たさない場合要支援1の120単位/月、要支援2の240単位/月に減算。要件を満たした場合減算はされない。

訪問リハビリテ-ションの診療未実施減算(50単位)は利用者の退院日から起算して1月以内で入院中のリハビリテ-ション計画書を入手することで適応外となった。また他事業所の医師の指示であり、リハビリテ-ション事業所医師が診療未実施の場合でも、他事業所の医師が研修を受けることが必要であった。この研修要件は2027年3月末まで経過措置が延期。ただ必要研修の修了の有無を訪問リハビリテ-ション計画書に記載することが要件となった。

また、病院、有床診療所の退院前カンファレンスに訪問リハビリテ-ション事業所の医師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が参加した場合の「退院時共同指導加算」600単位/回も新設。その他リハビリテーションマネジメント加算の要件見直しや認知症短期集中リハビリテーション実施加算(240単位/日/週2回限度)も新設されている。

 

通所リハビリテ-ション大規模型でも要件を満たせば通常規模型で算定可――リハビリテ-ションマネジメント加算の見直しなど

通常規模型の通所リハビリテ-ションの基本報酬は3単位から10単位引上げられた。通常規模型、大規模型(I)、大規模型(II)の3段階になっている事業所規模別の基本報酬が2段階となり、大規模型事業所のうち、(1)リハビリテーションマネジメント加算の算定率が利用者全体の80%を超えている、(2)リハビリテーション専門職の配置が10:1以上であることを全て満たす事業所には、通常規模型と同等基本報酬となった。予防の通所リハビリテ-ションも要支援1で215単位、要支援2で229単位引上げ。

その他リハビリテ-ションマネジメント加算の要件と報酬見直し、口腔機能向上加算(II)160単位からイ)155単位、ロ)160単位に区分、退院時共同指導加算の新設がある。

予防通所リハビリテ-ションでは運動器機能向上加算225単位/月が廃止され基本報酬に包括。選択的サービス複数実施加算I 480単位は廃止。選択的サービス複数実施加算II 700単位は一体的サービス提供加算480単位/月として新設された。

通所介護は基本報酬引上げ――入浴介助加算と個別機能訓練強化加算の見直し

通所介護も基本報酬が引上げられた。所要時間にもよるが通常規模型で3から6単位引上げ。

入浴介助加算の要件も見直しされている。入浴介助加算(I)(40単位/日据置)では入浴介助に関わる職員に対し、入浴介助に関する研修等を行うことが新設。また同加算(II)(55単位/日据置)では(下線部が追加)(1)医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員又は利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者(以下「医師等」という。)が、利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価していること。この際、当該居宅の浴室が、当該利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にある場合には、訪問した医師等が、介護支援専門員・福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具の貸与・購入・住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行うこと。ただし、医師等による利用者の居宅への訪問が困難な場合には、医師等の指示の下、介護職員が利用者の居宅を訪問し、情報通信機器等を活用して把握した浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を踏まえ、医師等が当該評価・助言を行っても差し支えないものとする。②当該事業所の機能訓練指導員等が共同して、医師等と連携の下で、利用者の身体の状況、訪問により把握した居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成すること。ただし、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画に記載することをもって個別の入浴計画の作成に代えることができる。③上記の入浴計画に基づき、個浴(個別の入浴をいう。)又は利用者の居宅の状況に近い環境(利用者の居宅の浴室の手すりの位置や使用する浴槽の深さ及び高さ等に合わせて、当該事業所の浴室に福祉用具等を設置することにより、利用者の居宅の浴室の状況を再現しているものをいう。)で、入浴介助を行うことになった。なお、通所リハビリテ-ションの入浴介助加算(II)も同じ見直し。ただし通所リハビリテ-ションの入浴介助加算(I)の要件に変更はない。

個別機能訓練強化加算は(I)のロ(85単位/日)から76単位/日に引下げ。他は据置だ。機能訓練指導員を通所介護等を行う時間帯を通じて1名以上配置しなければならないとしている要件を緩和し配置時間の定めなしとした。

短期入所生活介護の長期利用の適正化――61日以降の減算制度とは

短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護における長期利用について、長期利用の適正化を図り、サービスの目的に応じた利用を促す観点から、施設入所と同等の利用形態となる場合、施設入所の報酬単位との均衡を図ることになった。対象者は①短期入所生活介護 連続して60日を超えて同一の短期入所生活介護事業所に入所している利用者、②介護予防短期入所生活介護 連続して30日を超えて同一の介護予防短期入所生活介護事業所に入所している利用者だ。

特養ホームの場合、61日目以降は長期入所と同等の評価となった。介護予防短期入所生活介護では①要支援1(ユニット型)介護予防短期入所生活介護費について(ユニット型)介護福祉施設サービス費の要介護1の単位数の100分の75に相当する単位数を算定する。②要支援2(ユニット型)介護予防短期入所生活介護費について(ユニット型)介護福祉施設サービス費の要介護1の単位数の100分の93に相当する単位数を算定する。

また「看取り連携体制加算」64単位/日も新設された。算定は死亡日及び死亡日以前30日以下について、7日を限度。看護体制加算の算定や他医療機関、訪問看護ステーションとの連絡体制が要件となる。

一部の福祉用具に係る貸与と販売の選択制の導入――福祉用具専門相談員又はケアマネジャーが説明

利用者の過度な負担を軽減しつつ、制度の持続可能性の確保を図るとともに、福祉用具の適時・適切な利用、利用者の安全を確保する観点から、一部の福祉用具について貸与と販売の選択制が導入される。対象は要介護度に関係なく給付が可能な福祉用具のうち、比較的廉価で、購入した方が利用者の負担が抑えられる者の割合が相対的に高い、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)及び多点杖。

選択制の対象福祉用具の提供には、福祉用具専門相談員又はケアマネジャーが、福祉用具貸与又は特定福祉用具販売のいずれかを利用者が選択できることについて、利用者等に対し、メリット及びデメリットを含め十分説明を行うこととするとともに、利用者の選択に当たって必要な情報を提供すること及び医師や専門職の意見、利用者の身体状況等を踏まえ、提案を行う。福祉用具貸与について、選択制の対象福祉用具の提供には、福祉用具専門相談員が、利用開始後6月以内に少なくとも1回モニタリングを行い、貸与継続の必要性について検討を行う。

特定福祉用具販売について、選択制の対象福祉用具の提供には、福祉用具専門相談員が、特定福祉用具販売計画の作成後、当該計画における目標の達成状況を確認する。また、利用者等からの要請等に応じて、販売した福祉用具の使用状況を確認するよう努めるとともに、必要な場合は、使用方法の指導、修理等(メンテナンス)を行うよう努めるとなった。

なお、福祉用具専門相談員は、モニタリングの結果を記録し、記録を居宅介護支援事業者に報告しなければならないことが義務付けられた。

(顧問 宮坂 佳紀)


『新たな自分へ…』

改めまして、新年あけましておめでとうございます。

皆様健やかに新年をお迎えのこことお慶び申し上げます。

さて、新年最初のメルマガ本文を担当することとなり、悩んだ末に昨年私が、実際に仕事に行き詰まっていた時に、ある高齢の職員さんから送られてきたポエムをご紹介させて頂こうと思います。このポエムで、自分を振り返り、見直すきっかけとなりました。

素敵に歳を重ねましょう

70代は「しなやかに」

80代は「艶やかに」

90代は「愛らしく」

 

あなたはどんな時代を生きてきましたか?

幾多の困難を乗り越え、またいろいろな出会いや別れを経験してきたことでしょう

 

ひたむきに生きてきたあなたは

しなやかで強い心の持ち主、辛抱強く、忍耐力のある人です。そして…

 

人のために涙する思いやりと優しさのある人

優という字は「人を百回愛する」っていうふうに読めませんか?

 

心と体のエイジングケア

さらに上手に歳を重ねるために…

 

こんな知恵の言葉がありますので、いくつかご紹介します。

「喜びの心は良薬なり」 聖書格言の書17章22

笑いの力で免疫力アップ!

笑顔と優しいまなざしはあなたの魅力を倍増させます

「知恵は慎みのある人たちと共にある」聖書格言の書11章2

自分の限界を受入れて、今の状況で何が出来るかを考えて最善を尽くしましょう

 

「正しさにあまりこだわってはならない」聖書伝道の書7章16

自分にも他人にも完璧を求めないなら、がっかりやイライラもないので、穏やかな気持ちでいられます

 

「次の日のことを決して心配してはなりません。その日の問題はその日だけで十分です」聖書マタイによる福音書6章34

先々の事を心配するよりも、その日の問題と向き合って、1日1日をしっかりと生きましょう

 

「いつも与えなさい。そうすれば人々は与えてくれます」聖書ルカによる福音書6章38

寛大に与える人は人から感謝され、自分も幸せな気持ちになり、良い人間関係を築けるでしょう

 

「苦しむ人にはどの日も悪い日で、陽気な心の人には毎日が宴会である」聖書格言の書15章15

ネガティブ行きの電車から、ポジティブ行きの電車に乗り換えよう!

大変な時も前向きでいられます

 

「すべてのことに感謝してください」新約聖書テサロニケ人への第一の手紙5章18

感謝の気持ちがあると、身の回りの良いことに気づけます。

ささやかな日々の中に喜びがあるのもです。

何よりも生きていることに感謝できるでしょう

 

「若い人の素晴らしさは力であり、高齢の人の輝きは白髪である」聖書格言の書20章29

長年積み上げてきた経験や知恵は若い人のお手本です

 

「白髪は美しい冠である」聖書格言の書16章31

知恵と経験という「美しい冠」はますます輝きを増していくことでしょう

 

無理せず、楽しく、健やかに、いつまでも若々しく、素敵に歳を重ねられたらいいですね!

介護の世界は、高齢の方をお世話する仕事です。素敵に歳を重ねて頂けるように私たちができる最善のお手伝いをさせて頂きましょう!!

 

(理事 中島 義記)

 

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