ご挨拶
「走りながら考える…」と言われた介護保険制度ですが、平成12年の制度開始当初より、介護支援専門員については、一貫して「介護保険制度の要(かなめ)」と位置付けられてきました。介護保険制度がこれだけ国民に周知され、身近なものになった背景には、我々介護支援専門員の存在が非常に大きいと自負しています。
しかしながら、一方では、国や都道府県、市町村レベルの会議であっても、現場のケアマネジャーに向けられる批判が絶えないのも事実です。数ある専門職の中で、なぜ、介護支援専門員だけがこれほどの批判に晒されるのかを思うとき、新しい職種であるがゆえの未成熟さや力量不足だけが、単純に指摘されているのではなく、介護支援専門員が取り組む職務内容の困難さを周囲が理解した上で、それでも、その役割を担い、果たしてほしいという社会からの強い期待や願いの表れではないか…と考えます。
様々な場面で、介護支援専門員に対して不十分であると指摘されている医療と介護の連携、フォーマルだけでなくインフォーマルなサービスの活用、真の自立(自律)に向けた支援など、そのどれもが社会全体の課題として既に重要性が叫ばれて久しく、誰もが必要性を認めながらも、その役割を果たす職種を見いだせないままに、今日に至っているのであり、ようやく、その重責を担うべく介護支援専門員が登場したとも言えるのではないでしょうか。
そう考えると、介護支援専門員には、医療と介護の連携のキーパーソンとして、インフォーマルなサービスをも組み入れたケアプランを作成し、利用者にとっての真の自立(自律)を支援する役割が求められているのであり、これはまさに、介護保険制度の要から、今度は「地域包括ケア実現の要(かなめ)」へと、その役割期待が更に大きくなっていると言えるのでしょう。
介護支援専門員は、今、その重圧に耐え切れずに、現状とは全く異なる職種へと変遷していくのか?それとも、自らの専門性を高めることによって専門職としての地位を確立していくのかの正念場を迎えているのではないでしょうか。
平成12年11月に京都府介護支援専門員協議会として発足した当会は、平成25年11月に公益社団法人へと移行しました。一部の介護支援専門員だけではなく、京都のすべての介護支援専門員のための団体として、また、すべての京都府民のための団体として、ともに活動をしていきましょう。