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┏┏┏ 公益社団法人 京都府介護支援専門員会
┏┏ ★ メールマガジン ★
┏ 2014/5 ★ 通算037号 ★
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□■2014年5月30日配信 通算037号□■
CONTENTS――――――――――――――――――――――――
_/_/_/京都式オレンジプラン(最終回)
_/_/_/シリーズ☆2015介護報酬改定を占う☆
_/_/_/事務局からのお知らせ
_/_/_/ひとこと
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■京都式オレンジプラン(最終回)■—————-
前回に引き続き、認知症対策の方向性【8つの課題】を複数回メルマ
ガにおいて紹介致します。
京都地域包括ケア推進機構
http://www.kyoto-houkatucare.org/orangeplan/
今回は、課題8【若年性認知症への対策】について・・・
目標 1 若年性認知症の特性に応じた専門的支援ができる体制の構
築
目標 2 居場所・生きがいづくり
目標 3 若年性認知症ガイドブック(仮称)の作成
目標 4 就労・経済的問題への対応
支援者のための京都式オレンジガイドブックが発出されました。
http://www.dcnet.gr.jp/support/research/center/detail.html?CENTER_REPORT=216¢er=2
若年性認知症と言っても高齢期の認知症とは疾病自体に特別な違い
はない訳ですが、年齢が若いだけに、発症後も例えば家族(家庭)
の中、社会での役割が大きく、本人や周囲(家族)の葛藤や精神的
負担は相当大きいものがあるかと推測されます。また、若年だから
こそ使えるサービス(必要とするサービス)もありますし、高齢者
を中心に据えた介護サービスがご本人のニーズにうまく適応せず、
障害や福祉のサービスに認知症に対する対応力が低いことなどから
適応するサービスの不足も容易に考えられます。
前述したガイドブックにも「Part5」にサービスにある隙間の問題と
して幾つかの特徴が指摘されています。そこでは・・・・
休職や退職を余儀なくされたとしても、本人の働く意欲が失われて
いない場合があります。実際、病気の進行具合や仕事の内容によっ
ては、十分に働ける人がいることも事実です。こうした場合、デイ
サービスなどの介護保険のサービスは本人にとっても馴染めないこ
とがよくあります。
多くのデイサービスが高齢者中心であるからです。一方、若年性認
知症についてのケアの経験がなく、ノウハウやスキルも蓄積されて
いないことを理由に受け入れない施設もあります。かかりつけ医な
どからの勧めで介護認定を受けたとしても、介護保険サービスを利
用しない場合は、担当ケアマネジャーがいない場合もあるでしょう。
そのため、行き場も相談する場もなく、家に閉じこもった生活が、
心身機能の低下を早めてしまうことがあります。ここに初期段階で
のサービスの欠落、隙間があるのです。・・・・とされています。
例えば本人の役割を切り口に考えますと、現役世代での発症は、働
かなければならないと言った役割をどう担保するのか?ということ
も合わせて考えていく必要がある訳です。これは年金等で所得が担
保されている認知症高齢者への支援では求められることが少ない視
点でしょう。介護保険サービスを中心に支援をしてきたケアマネジ
ャーには苦手な分野かもしれません。このように若年者に対する支
援の方向性は、これまで介護保険が、担ってきた分野よりも広い部
分を期待されることを自負しなければなりません。また、特に初期
の段階ではご本人に出来ることも多く、出来ないことの支援も勿論
重要ですが、できることを伸ばす支援も考慮する必要があるでしょ
う。こういったところで忘れてはいけないのが支援の目的を見失わ
ないこと。本来はご本人とご家族の安寧な生活が目標にあるべきな
のですが、特に認知症の場合、ご本人の思いとご家族の希望に乖離
があるケースも多く、このあたりの意見調整も重要な課題です。安
易にご家族の思いばかりに対応し、ご本人の理解や了解のない無理
なサービスの利用は、ご本人の精神的な苦痛につながりかねないこ
ともありますし、このような負担がご本人のBPSDのきっかけとなり、
結果的にご本人の不穏がご家族の負担軽減に逆行することもありま
す。支援の目的を見失って、サービスや施設につなぐことばかりが
目標になってしまい、当事者が置き去りになってしまわないように
配慮したいものです。
もう一つ、若年というくくりでは障害をはじめとした介護保険以外
の公的な制度も利用対象となるケースも多くあるのですが、公的な
制度では制度間の優位性が予め決められており、介護保険制度は殆
どの公的制度に対して優位であることです。言い換えれば、介護認
定を受けることで他制度のサービスが受けられなくなる可能性もあ
ることを忘れてはなりません。若年性認知症については事例も少な
く、支援のノウハウの蓄積はまだまだ途上段階です。同様に特化し
たサービスもありません。このようなことも考慮すると若年性認知
症の支援は手立ての開発面も含め、援助者側の高いスキルも求めら
れます。すなわち、支援の失敗による弊害もあることに十分配慮す
る必要もあるでしょう。
オレンジガイドブック巻頭の「はじめに」はこうくくられています。
“京都式オレンジプランがめざす「認知症とともに歩む本人の意思
が尊重され、住み慣れた地域で暮らし続けられる社会」のためには、
認知症に関わるすべての関係者が若年性認知症についてもよく理解
し、とりわけ初期の段階において適切な支援をしていくことが求め
られます。本ガイドブックがそのきっかけになれば幸いです。”
せっかく出来たガイドブックです。我々としても積極的に活用し、
支援者としてのスキルを上げる一助にしたいと思います。
(副会長 松本善則)
■シリーズ☆2015介護報酬改定を占う☆■——————-
次期改定に向けた医療と介護の様々な動き、情報をもとに介護報酬
改定の行方を探ります。
今回はその第1回
まずはスケジュールの確認ということで・・・
2015年度介護報酬改定に向け本格的な議論を開始―
―社会保障審議会・介護給付費分科会
4月28日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会は、2015
年度介護報酬改定に向けた本格的な議論を開始しました。年末に予
定する基本的な考え方の取りまとめに向けて議論を進めていきます。
厚労省が提示したスケジュールによると、夏ごろまでに、これまで
の介護報酬改定の審議で指摘があった項目や、社保審・介護保険部
会が13年末に取りまとめた意見書に盛り込まれた項目を中心に議論
されます。分科会の開催頻度は月2回。以下の9項目などを取り上げ
られます。
1)定期巡回・随時対応サービスや複合型サービス
2)認知症対応
▽在宅・施設サービスでの医療提供の在り方
3)集合住宅でのサービス提供を含んだ高齢者の住まい
4)リハビリテーション、予防サービス
5)ケアマネジメント
6)区分支給限度基準額
7)補足給付の基準費用額
8)処遇改善
9)地域区分
事業者団体からのヒアリングは夏をめどに実施。
秋から年末にかけては、各論として在宅サービスや施設・居住系サ
ービスについて意見が交わされます。消費税率10%への引き上げ対
応についても、医療保険の動向を踏まえつつ議論されます。12月中
旬には報酬や基準に対する審議内容を取りまとめ、15年1月にも介
護報酬改定案の諮問・答申がおこなわれます。
(監事 宮坂佳紀)
■事務局からのお知らせ■———————————
★<独自研修>受講者募集中!
◎みなさまのご要望にお応えし、「難病」 に関する研修や「はじめて
シリーズ」の第2弾など、スキルアップに役立つ研修を開催します。
ぜひご参加ください!
◆「筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方のケアマネジメント~難病の方
の理解と支援~」
日 時:平成26年6月4日(水)
会 場:ハートピア京都3階 大会議室(京都市中京区)
講 師:瀬津 幸重 氏(独立行政法人国立病院機構宇多野病院京
都府難病相談・支援センター主任相談支援員)
↓↓詳細はこちらです
https://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2014/05/5078c53f10a2003a833c71b9bd68da14.pdf
◆「担当者会議がスムーズに開ける『はじめてのケアマネジメント』
のエッセンスを用いて」
日 時:平成26 年8 月26 日(火)
会 場:ハートピア京都3階 大会議室(京都市中京区)
講 師:溪村 真司 氏 (融通念仏宗圓通山融念寺住職・種智院大学
社会福祉学科非常勤講師)
↓↓詳細はこちらです
https://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2014/05/e83a4485402b8e6b70fa26599881cef4.pdf
◆地域で気づき・つなぎ支える認知症相談支援ガイドブック研修会
◎京都市が作成した「認知症相談支援ガイドブック」の内容をより深
く知っていただくための研修会です。
日 時:平成26年7月4日(金)
会 場:ハートピア京都3階 大会議室(京都市中京区)
講 師:京都市認知症地域支援推進員〔地域医療・介護サービス事
業所や地域の支援機関をつなぐコーディネーター(市配置)〕
↓↓詳細はこちらです
https://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2014/05/98fb3ee0ea62fb5eacd9c11332d6da37.pdf
★住所・氏名・勤務先等を変更された方へ
住所・氏名・勤務先等を変更された方は、「住所・氏名・勤務先等
の異動届」をご提出いただきますようお願いいたします。書式は当
会ホームページからダウンロードできますのでご利用ください。
■ひとこと■——————————————
4月に診療報酬改定がありました。来年の介護報酬改定をにらんだ
動きも始まりました。私達は、目の前の利用者さんのことを第一に
考えつつも、保険者、京都府、厚労省の情報や動向に、いつも気を
配らなければなりません。このメールマガジンが、現場のみなさん
の一助になりますように。
話しは変わりますが、丹波市青垣町にある高源寺へ行きました。1325
年の鎌倉時代までさかのぼる丹波屈指の名刹だそうです。紅葉が有
名ですが、今の季節は若葉が大変みずみずしく、落ち葉の間から沢
山のひこばえが出ていました。お近くの方、お勧めです。緩急つけ
ていきましょう。
(編集委員 佐藤弓子)
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公益社団法人 京都府介護支援専門員会・編集委員会
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TEL :075-254-3970
FAX :075-254-3971
MAIL:info@kyotocm.jp
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