145号 2020/03

ケアマネメールニュース(2020年3月号)

「ケアマネジャーとして知っておきたい今月の医療と介護の情報(MCIメディケアインフォメーション)」

2020年4月は2年に1回の診療報酬改定が実施される。今回もケアマネジャーとして知っておきたい診療報酬改定のポイントを概説したい。

医学管理等特定疾患療養管理料など主要項目は据置――診療情報提供料(Ⅲ)が新設

管理栄養士が実施する外来栄養食事指導料は1と2に細分化され2が新設された。2は他医療機関や栄養ケア・ステーションから管理栄養士の派遣を受けた診療所で算定する。1(従前の指導料)より10点低い点数。なお、外来化学療法を実施している悪性腫瘍患者に対して、外来化学療法の連携充実加算(新設)の施設基準に該当する管理栄養士が月2回以上の指導をした場合に限り、2回目以降は電話または情報通信機器等による場合でも算定可能な180点が新設された。

入院栄養食事指導料算定患者に、退院後の栄養食事管理指導を行い入院中の栄養管理情報を患者に文書説明したうえで、他の医療機関、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院等の医師又は管理栄養士等と共有した場合に、入院中1回に限り、栄養情報提供加算(50点)が新設された。

婦人科又は産婦人科標榜医療機関において、外来の器質性月経困難症患者で、ホルモン剤(器質性月経困難症に対して投与されたものに限る)投与患者に婦人科又は産婦人科担当医師が、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合、婦人科特定疾患治療管理料250点(新設)が3月に1回算定可能となった。

新設された診療情報提供料(Ⅲ)(150点)は紹介先から紹介元への情報共有を評価した点数。対象患者は(1)地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る)、施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る)届出医療機関から紹介された患者、(2)妊娠患者で、産科若しくは産婦人科標榜医療機関から紹介された患者、(3)別の医療機関から地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る)、施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る)届出医療機関に紹介された患者。算定要件は(1)と(3)は別の医療機関から紹介された患者に、患者を紹介した別の医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合(初診料算定日を除く。ただし、当該医療機関に次回受診する日の予約を行った場合はこの限りではない)に、3月に1回に限り算定。(2)は診療に基づき、頻回の情報提供の必要性を認め、患者の同意を得て、患者を紹介した別の医療機関に情報提供を行った場合、月1回に限り算定。診療情報提供料(Ⅰ)と同一月併算定不可。

リハビリテーション料の点数据置、リハビリテーション実施計画書様式見直し――要介護等認定患者の通知を削除して整理など

 リハビリテーション改定のポイントは以下の4項目だ。

(1)リハビリテーション実施計画の算定要件を整理

リハビリテーション実施計画書、疾患別リハビリテーション算定開始後、原則として7日以内、遅くとも14日以内に作成することが明文化。計画書作成前に行われる疾患別リハビリテーション料は、医師の具体的な指示の下で行われる場合に限り算定できることに見直し。

(2)リハビリテーション総合計画評価料の運動量増加機器加算(150点・1月1回)(新設)

脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)、(Ⅱ)届出医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、運動量増加機器を用いたリハビリテーション計画を策定し、当該機器を用いて、脳血管疾患等リハビリテーション料を算定すべきリハビリテーションを行った場合に、運動量増加機器加算として、月1回に限り150点を加算。

(3)維持期リハビリテーションについて取扱いを整理

要介護被保険者等患者(入院患者以外)の維持期リハビリテーションの経過措置が終了していることに伴い、引き続き算定が可能である患者が明確になるよう、扱いを整理。(廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料も同様)

(4)脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)、呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ、難病患者リハビリテーション料の見直し

脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)の施設基準に、言語聴覚療法のみを実施する場合の規定を新設。呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)及び難病患者リハビリテーション料の実施者にも言語聴覚士を追加。

(顧問 宮坂佳紀)


仮面ライダーから組織論を学ぶ

先日、何気に子供番組を見ていた時、30分の中でヒーローとワル集団の行動パターンが毎回同じで、お互いやっていることはともかく、組織としての行動について客観的に分析したくなり、色々調べてみた。例えば孤高に戦う仮面ライダー(以下ライダー)と、集団で立ち向かうショッカー軍団(以下ショッカー)の組織を、目的や行動、精神状態について、比較したら、どんな特徴があるのだろう。まず、「目的意識」について比較すると、ショッカーには世界征服という大きな野望(目標)がある。一方ライダーには、自分自身に具体的な目標がない。だから今日何もなければ、何もすることがない。次に「行動」についてみてみると、ショッカーは目標達成のために日々の研究を欠かさないが、ライダー自身は、前述した通り何かが起こってから行動していることが多いので、よく不意に喫茶店で「何ぃ!?」と言ってから急いで現地に行っている。この時点で、ライダー大丈夫か、と思ってくる。では「対応」という視点で見ると、ショッカーは必ず集団で活動をしている。一方ライダーは単独、もしくは少人数で活動している。ショッカーは、学校帰りの小学生にアプローチする時でさえ、現場のスタッフ達と主任が協働し、また事業所で課長や部長がその様子を把握している。だから彼らはおそらく、最終的に今週負けたとしても、来週までに再アセスメントをして、新しいケアプランを担当者会議で協議の上、合意形成しているに違いない。そしてなにより、ショッカーはみんながよく笑い、ライダーはよく怒っている。こうみると、どちらが正義か分からなくなってくる。ライダー、ショッカー双方の活動についてその是非を一刀両断するのは難しいが、結論何が言いたいのかというと、私は怪人ケアマネジャーになりたい、という話。

(常任理事 柴田崇晴)

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