147号 2020/04

ケアマネメールニュース(2020年4月号)

「ケアマネジャーとして知っておきたい今月の医療と介護の情報(MCIメディケアインフォメーション)」

今回はケアマネジャーとして知っておきたい診療報酬改定のポイントのうち調剤報酬について概説したい。

調剤報酬の地域支援体制加算の施設基準に注目――医薬介連携を高く評価、サービス担当者会議の参加が要件

調剤報酬には診療報酬の初診・再診料の評価と同様に、調剤基本料(1回42点、26点、21点、16点、9点の5段階)が評価されている。この調剤基本料は、ひと月の受付処方せん枚数や特定の医療機関からの処方せん集中率が高い薬局(いわゆる門前薬局)や、テレビCMなどでお馴染みの全国規模の大型薬局では、調剤基本料が低い評価となっている。ただし地域医療に貢献する薬局として「地域支援体制加算(1回37点)」が別途評価されている。地域支援体制加算の施設基準で1)保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験、2)その保険薬局に週32時間以上勤務、3)その保険薬局に1年以上在籍、4)薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得、5)医療に係る地域活動の取組に参画などの人員基準がある。さらに薬局の施設基準として時間外等加算または夜間・休日等加算の算定回数や在宅サービス提供回数、各種指導管理料の算定回数などの1年間の実績が必要となっている。加えて2020年度調剤報酬改定では、施設基準に「研修認定取得薬剤師が地域の多職種と連携する会議への出席」回数(年1回~5回)が追加された。

厚生労働省は3月31日付けで、2020年度診療報酬「疑義解釈その1」を発出した。見直しされた「地域支援体制加算」の施設基準における「地域の多職種と連携する会議」とは、どのような会議が該当するのかに対して、以下の3つを会議が該当するとした。それは①介護保険法で規定され、市町村又は地域包括支援センターが主催する地域ケア会議、②指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準で規定され、介護支援専門員(ケアマネジャー)が主催するサービス担当者会議、③地域の多職種が参加する退院時カンファレンスの3つだ。この3つの会議はまさに医師、薬剤師、介護支援専門員の連携(医薬介連携)を評価したものと言っても過言ではない。

3つめの会議である地域の多職種が参加する退院時カンファレンスには、診療報酬で評価されている「退院時共同指導料2(400点)」が該当する。退院時共同指導料は、病院の医師又は看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士など(以下、「PT、OT、ST」という。)若しくは社会福祉士が、入院患者に対し、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、在宅療養担当医療機関の医師若しくは医師の指示を受けた看護師等、薬剤師、管理栄養士、PT、OT、ST若しくは社会福祉士又は在宅療養担当医療機関の医師の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)、PT、OT、STと共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、入院中1回に限り算定。病院側は指導料2を算定し、参加した在宅医療機関の医師は指導料1(在宅療養支援診療所は1,500点、それ以外は900点)を算定する。加えて、会議に参加する外部の在宅療養担当医療機関の医師若しくは看護師等、歯科医師若しくはその指示を受けた歯科衛生士、薬局薬剤師、訪問看護ステーションの看護師等、PT、OT、ST、ケアマネジャーのうちいずれか3者以上と共同して指導を行った場合には、多機関共同指導加算として、2,000点という高い加算も評価されている。また退院時共同指導料とは併算定不可であるが、病院の退院支援看護師とケアマネジャーがカンファレンスにより情報共有することで「介護支援等連携指導料」(400点)も評価されている。なお、今回の診療報酬改定では情報通信機器を用いたカンファレンスや共同指導について、日常的に活用しやすいものとなるよう、実施要件が見直しされた。ただし退院時共同指導料1・2の注1(病院医師と在宅療養支援診療所医師のカンファレンス)、退院時共同指導料2の多機関共同指導加算算定の場合で、在宅医療機関などの参加者のうち2者以上は対面との要件がある。他方、介護支援等連携指導料の場合はガイドラインの遵守をすれば、ほぼ無条件で病院担当者とケアマネジャー間のカンファレンスでICT活用が認められた形だ。介護報酬では退院・退所加算でも連動し、4月1日以降適用されることが疑義解釈通知でも明確化されている。

今回の調剤報酬改定で、薬剤師のサービス担当者会議への参加頻度は高くなるだろう。ただサービス担当者会議の参加が調剤報酬でのみ認められたということにも繋がる。この評価が今後の介護報酬や診療報酬にどのように影響するのかについても注目してほしい。

(顧問 宮坂 佳紀)


“笑い”と“健康”

新型コロナウイルスの感染拡大がとまらず、全国で緊急事態宣言が発出され、経済失速、失業、休業要請など暗い報道ばかりが続き、人々から“笑い”がなくなってきたように思います。“笑い”といえば先日、大物タレントが新型コロナウイルスの犠牲になられました。お子様からお年寄りまで、お茶の間のテレビの画像に食らいつき“笑い”が絶えない時間を過ごされた方は多かったでしょう。このことをインターネットやテレビの報道で知った誰もが残念な思いと哀しみに陥ったことでしょう。
以前、ある記事の中で“笑い”と“健康”が密接な関係にあると書いてあったのを思い出しました。誰でも哀しんだり落ち込んだりした時より、笑って喜んだりした時の方が元気になりますよね。“笑う”ことで体内の溜まっている二酸化炭素が体外に排出され、たくさんの酸素が体内に入ることで、全身に酸素が運ばれ新陳代謝がよくなると言われています。さらに“笑う”ことで免疫力が上がると言われています。
昔から“笑い”は百薬の長として知られていますが、海外でも「3回薬を飲むより1回笑う方が体に良い」とか「たんと笑ってたんと寝れば医者は要らない」など、“笑い”と“健康”に関することわざが世界中に存在します。
高齢者は、定年退職を迎え、配偶者の死、身体面の老化といった社会的、心理的、身体的な喪失体験をしていく中で心身ともに疲弊し、否定的な思考となり“笑い”が少なくなっていきます。まして新型コロナウイルスの影響で出口が見えない外出自粛ともなれば、外出できないストレスから益々“笑う”機会が減ってしまうことになるでしょう。
今、ケアマネジャーとしてできることは何かと常に考えています。自分が「感染者であるかも知れない」と認識をしっかり持ち、“ご利用者”に感染をさせない対策をしっかりすること、検温・体調管理・手洗い・うがい・マスクの着用はもちろんのこと、自らも不要不急の外出を自粛することです。さらに、ご利用者と接するときは常に“笑顔”を忘れないように心掛けたいと思います。そうすればご利用者も自然と“笑顔”になり“笑い”がでてくるような気がします。“笑う”ことで“健康”になり、この新型コロナウイルスに負けないで欲しいと切に願います。

(広報委員 山田 英雄)

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