143号 2020/01

ケアマネニュース(2020年1月号)

「ケアマネジャーとして知っておきたい今月の医療と介護の情報(MCIメディケアインフォメーション)」

2020年4月は2年に1回の診療報酬改定が実施される。今回よりケアマネジャーとして知っておきたい診療報酬改定のポイントを概説したい。

診療情報提供料の算定要件見直し――電話再診でも緊急時は算定可や情報共有を評価

 診療情報提供料(Ⅰ)は患者を専門医などへ紹介することを評価している。この評価について見直しされる可能性が高い。現行診療報酬の取り扱いでは電話等による再診(電話等再診)は、緊急時等で、患者等から電話等によって治療上の意見を求められて指示をした場合に限り算定が可能な再診料である。ただ電話等再診では特定疾患療養管理料や診療情報提供料など医学管理料は算定できない。この点について中医協総会で厚労省は「緊急時等で患者からの連絡を受けて電話等再診を行う場合であって、患者に救急医療機関の受診を指示した上で、速やかに必要な診療情報提供を行う場合については、診療情報提供料を算定できることとしてはどうか」との論点を掲げた。本件について中医協総会で異論はなく算定可能となる見込みだ。

さらに中医協総会では医療機関間の情報共有の推進も取り上げている。厚労省は、患者の紹介を受けた医療機関が継続的な診療をする場合に、患者への指導内容や今後の治療方針を紹介元の医療機関の求めに応じて情報提供することへの評価の検討を提案。医療機関間の情報共有では、かかりつけ医が専門医療機関に患者を紹介した場合を評価する診療情報提供料(Ⅰ)と、いわゆるセカンドオピニオンを求める患者の要望を受けて情報提供する診療情報提供料(Ⅱ)がある。一方、紹介を受けた医療機関から紹介元への情報提供も行われているものの、現在は評価する仕組みがない。厚労省は、双方向での情報共有を認めるという趣旨から、医療機関間連携の具体的なイメージとして、1)糖尿病網膜症で専門医療機関への紹介、2)訪問診療での褥瘡治療のための皮膚科医療機関への紹介、3)がん治療で専門医療機関への紹介、4)妊娠糖尿病で糖尿病専門医療機関への紹介、を挙げ、それぞれに紹介先から紹介元に情報提供する場合があるとした。

再診料引上げはあるのか――地域包括診療加算の施設基準は見直しへ

 再診料は200床以上病院の外来診療料との整合性を保つ目的から2010年度改定で引下げられた。その後2回の消費税改定で引上げ(補填)されたが、実質は引き下げられたままだ。初診料については病院・診療所とも原則同一点数であるが、この経営原資たる初診・再診料の引上げが実施されるかが最も気になるところである。これまでの中医協議論では再診料の引上げをするという具体的な提案はない。一方再診料の加算である「地域包括診療加算」施設基準の見直しが掲げられている。現在地域包括診療加算は1と2に分かれ、外来から在宅医療に移行した、かかりつけ患者数で評価されている。ただ在宅医療の実績や時間外対応加算の施設基準が要件化されていることから届出機関数は増えていない。厚労省は中医協総会で「地域包括診療加算等の施設基準については、医療機関に対して患者が求める機能や、医療機関への負担等を踏まえ、在宅医療に係る要件や、時間外の対応に係る要件等について、必要な見直しを行うこととしてはどうか」を掲げている。このことから再診料は据置であっても、地域包括診療加算は施設基準届出の有無により僅かであるが算定要件緩和されることも想定できる。

(顧問 宮坂佳紀)

 


「きづく」と「きずく」

「明けましておめでとうございます」と先日話していたかと思えば、早くも1か月が経ってしまいました。日が経つのが早いのは年末年始にゆっくりしたツケがそっくりのしかかったように思います。せっかくの連休だし・・・年末は頑張ったから・・・利用者の方々の状態も落ち着いてるようだし・・・元々、年末年始は休みとなる業務体系にも関わらず、なぜか長い休みをとることに後ろめたさを抱いてしまうのは一種の職業病なのでしょうか。

働き方改革が叫ばれる中、同時に意識改革もしていかねばならない、と里帰りしていた同級生にチクリと言われたのは私を見て何かしらの気付きがあったのかもしれません。疲れ顔だった?ストレス太りを気付かれた?ネガティブ発言してた?言動や非言語的コミュニケーションを振り返ってみましたが、思い当たることだらけなのは例年と変わらないように思います。それならば、変わったのは友人の方では?と、会話を振り返ってみると、昨年に病気で少し休職したことを話していました。お互い年をとったと笑い話にしていましたが、当の本人は悩める時期があったのかもしれません。たまにしか会えない間柄だからこその配慮が必要だったと感じました。同時に、長く付き合いのある人だからこそ変化のわかる関係が築けるのだとも思いました。同音異義語ですが、この気付く(きづく)と築く(きずく)は相関関係を持っているように思います。気付くことが多ければ大きなものを築ける、漠然とですが信頼や友情、制度などに当てはまるように感じます。

我々が築いた介護保険制度も今年でハタチを迎えます。同時に当会も20周年を迎える節目であり20周年記念誌の発刊を準備しております。編集過程で今を築けたのはどのような気付きがあったのかを紐解いてみたいと思います。

(常任理事 村上晶之)

 

 

 

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