095号 2017/06

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┏┏┏ 公益社団法人 京都府介護支援専門員会
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┏ 2017/06 ★ 通算095号 ★
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□■2017年6月30日配信 通算095号□■
CONTENTS――――――――――――――――――――――――――
_/_/_/シリーズ 30年同時改定をうらなう(6)
_/_/_/公益社団法人京都府介護支援専門員会定時総会報告
_/_/_/理事退任のご挨拶
_/_/_/研修のご案内
_/_/_/第11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川のご案内
_/_/_/ひとこと
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■シリーズ 30年同時改定をうらなう(6)■
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平成30年の医療・介護同時改定に向けての動きが活発になってきま
した。最新の情報のなかから、ケアマネジメントに関わりが深いも
のを厳選し、メディカル・テン代表の宮坂佳紀氏に連載していただ
きます。

◆◆訪問リハビリテーションなどの論点に注目◆◆

6月7日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会は、2018
年度介護報酬改定に向けて訪問リハビリテーション(訪問リハビリ)
などをテーマに議論した。厚労省は、以下の論点を提示している。

◆(参考1)訪問リハビリテーションの論点◆
○ 訪問リハビリテーションの効果的・効率的な実施を促す観点から、
訪問リハビリテーションの実施状況についてどのように考えるか。

○ 退院後の利用者や、状態の悪化している利用者等について、必要
に応じて早期に訪問リハビリテーションが導入できるようにしてい
くことが重要と考えられるが、どのような方策が考えられるか。

○ 訪問リハビリテーション計画に沿ってリハビリテーションを提
供していくにあたり、その質を担保・向上する観点から、訪問リハ
ビリテーションの作成及び実施にかかる医師の関与の更なる促進に
ついてどのように考えるか。

○ 訪問リハビリテーションの質を担保・向上する観点から、訪問リ
ハビリテーションの実施にかかる社会参加の更なる促進についてど
のように考えるか。

○ 医療と介護の連携を円滑にする観点から、医療保険・介護保険に
おいてリハビリテーションに係る計画書等のあり方についてどう考
えるか。

議論では、保険者側委員から「機能回復した利用者の割合をアウ
トカムとするなど算定要件に含めることを検討すべき」との考えを
示した。
医師の関与の促進について、サービス提供側委員は実質的に医師
が関与しているにもかかわらず、訪問リハビリの人員基準に医師が
明記されていないことを指摘。「訪問リハビリの事業所には医師の配
置が必要であることを明確にすべき」とした。リハビリ会議などが
負担となっている現状を踏まえ、ICTの活用などにより会議の負担
を軽減すべきとの意見が複数の委員から上がった。医療保険の疾患
別リハビリと介護保険の訪問リハビリの計画書などについて、他の
サービス提供側委員は「互換性を持たせて一貫した計画にすべき」
と主張した。
訪問リハビリの早期開始に向けた方策について、サービス提供側
委員は入院中に要介護認定を受けるタイミングがないことを説明。
入院時に要介護申請をすることや認定の一次判定結果を通知するこ
となどを提案した。また、入院中に介護支援専門員や理学療法士な
どと連携しやすくする評価をすべきとの声が相次いだ。

同日の社会保障審議会・介護給付費分科会では、居宅療養管理指
導についても議論している。厚労省は分科会に以下の論点などを提
示した。

◆(参考2)居宅療養管理指導費の論点など◆
(1)現状と課題
平成28年度診療報酬改定における在宅時医学総合管理料等の見直
しについて

○ 居宅療養管理指導における利用者の居住場所等による報酬上の
評価については、平成20年度診療報酬改定以降、必要に応じて、利
用者の居住場所に応じた評価を導入してきた。 例えば、平成24年
度介護報酬改定では、同一建物の訪問人数に応じた評価を導入し、
平成28年度診療報酬改定では、在宅時医学総合管理料等の算定要件
を見直し、居住場所や単一建物での診療人数等に応じたきめ細やか
な評価等を行った。

(2)論点
○ 利用者の居住場所に応じた評価について、平成28年度診療報酬
改定では、在宅時医学総合管理料等の算定要件を見直し、居住場所
や単一建物での診療人数等に応じたきめ細かな評価等が行われたこ
とを踏まえ、報酬体系の簡素化にも配慮しつつ、医療保険と介護保
険との整合性の観点から、どのように考えるか。

平成28年度診療報酬改定で、在宅時医学総合管理料などの算定要
件が居住場所や単一建物での診療人数などに応じたきめ細やかな評
価に見直されたことを踏まえ、医療と介護の整合性を確保すべきと
の意見が複数の委員から上がっており、マイナス改定となりそうだ。
サービス提供側委員は居宅療養管理指導について、1日当たりの
給付上限を設けるなどの見直しが必要と発言している。居宅療養管
理指導だけでなく、訪問介護や訪問看護など他の訪問系サービスも
同様にすべきと強調した。

同日の会合では、口腔や栄養関係の評価についても議論した。以下
は課題と論点である。

◆(参考3)口腔・栄養関係の課題と論点◆
(1)口腔関係の課題

○ 現在、要介護高齢者に対する口腔衛生管理については、居宅サー
ビスでは、居宅療養管理指導や口腔機能向上加算、施設サービスで
は、施設全体の口腔ケアに関する介護職員への助言指導等を評価す
る口腔衛生管理体制加算や入所者個人に対する歯科衛生士による口
腔衛生管理を評価する口腔衛生管理加算等で評価が行われている。

○ 介護保険施設における協力歯科医療機関の指定については、運営
基準上、努力義務となっており、介護老人福祉施設及び介護老人保
健施設では約9割が指定されている。介護保険施設からは、協力歯
科医療機関に対して定期的なカンファレンスへの参加等の希望があ
る。

○ 介護保険施設における歯科医師又は歯科衛生士による口腔衛生
管理の評価については、平成21年度介護報酬改定により、口腔衛生
管理体制加算が導入され、平成24年度介護報酬改定により、口腔衛
生管理加算が導入されている。
これらの算定状況については、口腔衛生管理体制加算は約半数、口
腔衛生管理加算は1割に満たない状況にとどまっており、算定が困
難な理由としては、歯科衛生士の不在が最も多い。歯科衛生士の配
置は、介護老人福祉施設では4.6%、介護老人保健施設では10.8%
となっており、介護老人保健施設における歯科衛生士は、近年、就
業が増加傾向にある。

○ 要介護高齢者の約7割の高齢者に歯科治療の必要性が認められ
る。また、歯科医師、歯科衛生士による適切な口腔衛生管理により
誤嚥性肺炎の減少や咀嚼機能の維持による低栄養リスクの改善等の
効果が報告されている。

(2)口腔・栄養関係の論点
(口腔関係)
○ 介護保険施設における適切な口腔衛生管理の普及、充実を図るた
め、歯科医師、歯科衛生士の活用や歯科医療との連携についてどの
ように考えるか。

(栄養関係)
○ 施設における栄養管理体制についてどのように考えるか。例えば、
・入院率の低下や在宅復帰率の向上に資する栄養ケア・マネジメン
トの推進
・医療・介護の施設間における栄養管理の連携の推進
等を図るための方策として、どのような仕組みが考えられるか。

○ 在宅要介護者の自立支援には低栄養予防が重要であり、低栄養傾
向の者も一定数存在する中、通所サービスとして栄養改善サービス
を推進するには、どのような仕組みが考えられるか。

宮坂 佳紀(メディカル・テン代表/公益社団法人京都府介護支援専
門員会顧問)

■公益社団法人京都府介護支援専門員会定時総会報告■
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平成29年6月17日(土)登録会館(京都市中京区)において、
平成29年度公益社団法人京都府介護支援専門員会定時総会を開催
いたしました。本総会は代議員29名(うち書面議決9名)が出席し、
定款第18条代議員の過半数の者の出席により成立が確認されまし
た。

【会長挨拶】
平成28年度、本会にとって最も大きな出来事は研修体系の変更で
あった。事前準備に時間をかけ、いくつもワーキングを動かし何と
か無事に研修を実施することができた。多くの役員・委員に関わっ
てもらったことに感謝するとともに、今後の課題も沢山出てきたと
思うので、これからもより良い内容を目指して取り組んでいきたい。
もう1点、長年の懸案事項であった京都府内のケアマネジャーの
実数把握調査を実施することができた。まずは、多大な協力により
調査を実施することができたことに感謝したい。その調査により、
中長期計画の会員目標人数を実働ケアマネジャーの50%を目指すと
いうかなり具体的な目標に置き換えることができた。会員数増は、
本会にとって非常に大きな課題である。引き続き、一人でも多くの
ケアマネジャーに直接本会の活動をアピールし入会を働きかけてい
きたい。
平成30年の介護報酬と診療報酬の同時改定に向けた議論が社会
保障審議会でもいよいよ本格的に始まっている。限られた財源をめ
ぐって激しいやりとりが予想される。ケアマネジャーのことはケア
マネジャーしか守ってくれないため、日本協会を通して、積極的に
発言・提案をしていきたいと考えている。本日の総会では沢山の報
告・議案が予定されている。限られた時間ではあるが、忌憚のない
意見を聞かせていただきたい。

【決議事項】
決議事項として上程された下記議案はすべて承認されました。
第1号議案 公益社団法人京都府介護支援専門員会定款変更(案)
について
第2号議案 公益社団法人京都府介護支援専門員会会費規約の変更
(案)について
第3号議案 公益社団法人京都府介護支援専門員会平成28年度収支
決算報告(案)について
第4号議案 理事の選任について
今回の立候理事数15名、ブロック推薦理事8名計23名は、規定の
範囲内とし、監事とも本総会において全員承認されました。

北川新副会長より、閉会の挨拶をもって、滞りなく総会が終了いた
しました。

【平成29年度役員一覧】
会長 井上 基
副会長 北川 靖
副会長 小林 啓治
副会長 松本 善則
常任理事 山下 宣和
常任理事 川添 チエミ
常任理事 甲田 由美子
常任理事 柴田 崇晴
常任理事 髙木 はるみ
常任理事 堀田 裕
理事 瀧川 広治
理事 中平 克樹
理事 中吉 克則
理事 福田 信美
理事 村上 雅代
中丹ブロック理事 北山 重良
中部ブロック理事 樹山 紀代
京都市北西ブロック理事 南 哲也
京都市北東ブロック理事 塚田 聡
京都市南東ブロック理事 今松 一郎
京都市南西ブロック理事 中藤 正一
山城ブロック理事 北野 太朗
相楽ブロック理事 村上 晶之
監事 上原 春男
監事 木村 晴恵

(副会長 小林啓治)

■理事退任のご挨拶■
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退任された理事の方々からご挨拶をいただきました。

●理事として、多くの経験をさせて頂き、改めて職能団体の大切さ、
重要性を感じることが出来ました。今後もいちケアマネジャー・い
ち会員として、介護支援専門員の専門性の向上、引いては地位の向
上ができるよう頑張ります。会員の皆様、ありがとうございました。
(西谷 友香子)

●平成27~28年度、ご指導をいただきながら事業の企画運営に参加
し、介護支援専門員会が介護支援専門員のスキルアップを目指し、
又、行政・多団体へ働き掛け、その地位向上を担っていることを感
じました。2年間ありがとうございました。(西田 香葉子)

●平成26年より3年間、微力ながら役員を務めさせていただき多くの
学びを得ることができました。介護支援専門員のネットワークを支
える役割を担う当会の活動に今後も協力させていただきたいと思っ
ています。(樋口 孝子)

●研修に行く程度の会員からブロック理事になり、何もわからず右
往左往の2年でしたが、理事やブロックのみなさんにご協力いただい
たおかげで、何とか任期を満了することができました。ありがとう
ございました。(湯浅 由美)

■研修のご案内■
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◎【特別企画研修】「自主点検表をひもとく~運営基準の初心者向け
講座~
<南部会場>平成29年7月19日(水)18:00~19:30
ハートピア京都3階大会議室(京都市中京区)
<北部会場>平成29年7月26日(水)18:00~19:30
中丹勤労者福祉会館大会議室(福知山市)
★実務研修受講者以外の方も受講していただけます。お席に余裕が
ありますのでぜひご参加ください。
詳細とお申し込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/06/20170719.pdf

◎【研究大会】第6回京都府介護支援専門員研究大会「ケアマネジャ
ーの存在意義を問う~連携の要であるために~」
日 時:平成29年10月28日(土)10:30 ~16:30
場 所:メルパルク京都(京都市下京区)
申込締切:平成29年9月11日(月)
★鷲見よしみ氏(前日本介護支援専門員協会会長)による基調講演、
ケアマネジメントに必要な連携について研究発表をしていただく予
定です。研究発表者も同時に募集いたします。多数のみなさまのご
参加をお待ちしております。
詳細とお申し込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/06/h29ckca_taikai6.pdf

■【全国大会】「第11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川」の
ご案内■
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平成29年8月26日(土)、27日(日)、「地域・かがやき・暮らし~今、
介護支援専門員に求められている役割を果たす~」をテーマに「第
11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川」が開催されます。
大会要項・参加および事例研究発表の受付は「大会申込専用ホーム
ページ」をご覧ください。
↓↓↓
https://www.mwt-mice.com/events/2017kaigosien_ishikawa/login
◆発表・抄録原稿は締切済
◆参加申込締切日: 平成29年7月24日(月)

■ひとこと■
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定時総会にて、皆様の地域のブロック委員も交代となりました。私
自身、相楽地区でのブロック委員を長年務めた経験がありますが、
任期が2年であることを4~5年経ってから知ったことを懐かしく思
い出します。言われるままに前任より引継ぎ、慣れない研修企画や
運営に四苦八苦しましたが、介護支援専門員の視点や他の地域事情
や取り組み、医療・介護連携の重要性など見聞を深め、沢山の学び
の機会となりました。今にして思うとその時の経験が自分を形成す
るエッセンスになっていると確信しています。故スティーブ・ジョ
ブズの名言集にこのような言葉があります。「未来を見て、点を結ぶ
ことは出来ない。過去を振り返って点を結ぶだけだ。だから、いつ
かどうにかして点は結ばれると信じなければならない。」少しケアマ
ネジメントに通じる言葉だと感じます。この言葉の通り、我々の今
の活動が未来から結ばれることを信じ、この2年に臨みたいと思い
ます。

(理事 村上 晶之)

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公益社団法人 京都府介護支援専門員会・編集委員会
〒604-0874
京都市中京区竹屋町通烏丸東入る清水町375
京都府立総合社会福祉会館(ハートピア京都)7階
TEL :075-254-3970
FAX :075-254-3971
MAIL:info@kyotocm.jp URL:http://www.kyotocm.jp/
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