094号 2017/05

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┏┏┏ 公益社団法人 京都府介護支援専門員会
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┏ 2017/05 ★ 通算094号 ★
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□■2017年5月26日配信 通算094号□■
CONTENTS――――――――――――――――――――――――――
_/_/_/シリーズ 30年同時改定をうらなう(5)
_/_/_/ 認知症の人に対する財産管理調査から
_/_/_/総会資料について
_/_/_/研修のご案内
_/_/_/第11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川のご案内
_/_/_/住所・氏名・勤務先等を変更された方へ
_/_/_/ひとこと
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■シリーズ 30年同時改定をうらなう(4)■
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平成30年の医療・介護同時改定に向けての動きが活発になってきま
した。最新の情報のなかから、ケアマネジメントに関わりが深いも
のを厳選し、メディカル・テン代表の宮坂佳紀氏に連載していただ
きます。

◆◆社会保障審議会・介護給付費分科会が議論を開始◆◆

4月26日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会は、
2018年度介護報酬改定に向けた議論を開始した。厚生労働省は、前
回の改定内容や国会で審議中の介護保険法改正案などを説明。その
上で、今後のスケジュール案と、16年12月に介護保険部会と療養
病床の在り方等に関する特別部会が示した意見書を基にした検討事
項例を提示した。
スケジュール案によると、夏ごろまでは月2回のペースで、各介
護サービスの主な論点についての議論と事業者団体へのヒアリング
を実施。その後、12月までは各介護サービスの具体的な方向性につ
いて議論を進め、12月中旬に報酬や基準に関する基本的な考え方を
取りまとめる。年末の2018年度政府予算編成を受けて、2018年1
~2月ごろに介護報酬改定案を答申する予定。
夏ごろまでの検討事項の例として、1)通所リハビリテーションと
通所介護の役割分担と機能強化、2)小規模多機能型居宅介護、定期
巡回・随時対応型訪問介護看護などのサービス提供量の増加や機能
強化・効率化の観点からの人員基準や利用定員などの在り方、3)特
別養護老人ホーム施設内での医療ニーズや看取りに、より一層対応
できるような仕組み、4)入退院時における入院医療機関と居宅介護
支援事業所などとの連携、5)介護医療院の報酬・基準や各種の転換
支援策、6)訪問介護における生活援助を中心にサービス提供を行う
場合の緩和された人員基準のあり方、7)ロボット・ICT・センサー
を活用している事業所に対する報酬・人員基準等のあり方―などを
挙げた。
5月12日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会は、
2018年度介護報酬改定に向けて個別テーマの議論を開始している。
この日は看護小規模多機能型居宅介護(看多機)と小規模多機能型
居宅介護(小多機)を議題に挙げ、1)看多機や小多機での看護職員
の確保、2)看多機と小多機でのサテライト型事業所の取り扱い、3)
2017年度末までの時限措置となっている事業開始時支援加算への
対応―などを論点に挙げた。

(参考)小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護
の論点

(共通の論点)
○ 小多機や看多機について、請求事業所数や利用者数の現状を踏
まえると、更なる普及が課題であると考えられるが、サービス供給
量を増やす観点や機能強化・効率化を図る観点から、人員基準や利
用定員等の在り方についてどう考えるか。
○ 小多機や看多機について、看護職員の雇用が難しいという声があ
るがどう考えるか。

(小規模多機能型居宅介護に関する論点)
○ 小規模多機能型居宅介護事業所に置かれる介護支援専門員以外
の介護支援専門員が居宅サービス計画を作成した場合の取扱いにつ
いてどう考えるか。
○ 小規模多機能型居宅介護と他のサービスとの併用についてどう
考えるか。

(看護小規模多機能型居宅介護に関する論点)
○ 看多機と小多機におけるサテライト型事業所に関する取り扱い
が異なる点についてどのように考えるか。
○ 看多機のサービス(「通い」「泊まり」「訪問(介護)・訪問(看護)」)
の特性を踏まえて、 医療ニーズが高く看取りまで対応する体制のあ
り方についてどのように考えるか。
○ 事業開始時支援加算は平成29年度末までの時限措置となってい
るが、サービスの普及状況や経営状況を踏まえてどのように考える
か。特に経営状況については、平成29年度介護事業経営実態調査の
結果も踏まえて検討してはどうか。

分科会資料によると看多機は、2016年4月審査分で事業所数が
318カ所、利用者数が約5,100人、1事業所当たりの平均利用者が
19.0人となっている。過去1年間の利用終了者のうち、事業所内で
の看取りは16%で、在宅死亡が8%、施設や入院による利用終了は
約半数だった。看多機がある保険者の割合は、2016年10月時点で
11.3%にすぎない。

分科会ではサービス供給量を増やす観点などから、人員基準の在
り方についても議論した。委員からはニーズを把握した上で、供給
量の増加を考えるべきとの声が上がった。他の委員は事業所数が少
ないことを指摘し「ニーズがないのか、あるけどできないのか。エ
ビデンスを踏まえた上で議論していくべき」と主張した。複数の委
員から、同様の問題点を指摘する声が上がった。
小多機については、外部のケアマネジャーが居宅サービス計画を
作成した場合の取り扱いなどを議論した。「ケアマネジャーが内包さ
れていることでサービスの柔軟性が担保されている」など、内部の
ケアマネジャーが作成すべきとの意見が上がった。一方、委員(日
本介護支援専門員協会長)は第三者によるチェック機能が担保でき
るなどのメリットを挙げ、作成するのは外部のケアマネジャーであ
るべきと主張した。

同日の介護給付費分科会では、定期巡回・随時対応型訪問介護看
護と夜間対応型訪問介護についても議論された。厚生労働省は請求
事業所数が伸び悩んでいる現状を背景にサービス供給量の増加に向
けて論点を提示した。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、重度者をはじめとした要
介護高齢者の在宅生活を24時間支える仕組みを整えるため、2012
年4月に創設されたサービス。請求事業所数は16年4月時点で633
事業所、利用者数は約13,800人。利用者の約半数が要介護3以上の
中重度者で、世帯状況では高齢者のみの世帯が87.1%となっている。
夜間対応型訪問介護は2006年に創設され、2016年4月時点の請求
事業所数は182事業所、利用者数は約7,900人。
厚労省はサービス供給量の増加や機能強化・効率化を図る観点か
ら、人員基準などの在り方を論点として提示した。利用者からのコ
ールに対応するオペレーターの役割について、ICTの活用なども含
めて人員基準や資格要件を検討してはどうかとした。併せて、定期
巡回・随時対応型訪問介護看護は多くが集合住宅に居住する利用者
に対して提供されているため、地域全体にサービスを提供するため
の方策について議論を求めた。

(参考)定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護
(論点)

○ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護や夜間対応型訪問介護につい
て、請求事業所数や利用者数の現状を踏まえると、更なる普及が課題
であると考えられるが、サービス供給量を増やす観点や機能強化・効
率化を図る観点から、人員基準や資格要件等の在り方についてどう
考えるか。
特に、事業者からは、日中のオペレーターについて兼務を求める要望
があるが、経営の効率化を図る観点から、オペレーター等の役割や実
態を詳細に調査した上で、ICTの活用等も含めた人員基準や資格要
件の在り方について検討してはどうか。

○ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、そのサービス提供の多く
が、集合住宅に居住する利用者に対して行われているが、地域全体へ
必要なサービスが行き届くようにするためにはどのような方策が考
えられるか。

サービス提供側委員は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が集
合住宅の重度者でない利用者に提供されている実態があることや、
集合住宅併設の場合は報酬を低くするなどの方策も考えられるとし
た。保険者側委員からも適正化を求める意見が上がっている。

宮坂 佳紀(メディカル・テン代表/公益社団法人京都府介護支援専
門員会顧問)

■認知症の人に対する財産管理調査から■
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5月19日みずほ情報総研が「認知症の人に対する預貯金・財産の管
理支援に関する調査結果」を発表しました。これは認知症になった
親などの財産管理を支援した40歳以上の男女2,000人にインターネ
ットを通じて行われたアンケートの結果です(文末にリンクあり)。
これによると成年後見制度の申立のきっかけは、①ATM操作が困難
②金銭管理や説明の理解が困難になったこと、が上位に挙がってい
ます。私たちもご利用者のお宅に訪問した際に目にする、お金が散
乱している、使途不明の引き出し履歴がある等という事も心当たり
はありませんか。また、全体の相談のきっかけから支援につながる
場面を総括すると、次のような傾向がみられるとの事です。

(以下報告書より抜粋)
◇家族・親族等の支援者が預貯金・財産の管理をする上で難しさを
感じた際に、「ケアマネジャー・地域包括支援センター職員など介護
の専門職」を相談相手として回答した割合が多かった(相談者の3
割)。
◇一方で、専門職に相談したい内容としては「家・土地の処分に関
すること」など、介護の専門職では対応できないような高度な財産
管理に関するニーズが大きくなっており、金融機関や弁護士・司法
書士などの専門職へつなげられることが期待される。(抜粋終わり)

ただ、今回の調査で特徴的だったのは、「今後も制度を利用するつも
りはない」という回答が55%、そして実際成年後見制度を利用した
のは僅か6・4%しかない、という事実です。後見制度が全ての認知
症の人に必要となるものではありませんが、この数字の中に「声な
き声」が潜んでいないか、また後見類型が確定した後でも、私たち
はご本人を蚊帳の外に置いていないか、活用の仕方についても継続
して見渡すことが大切だと感じました。
みずほ情報総研ページ:
https://www.mizuho-ir.co.jp/company/release/2017/ninchisho0519.html

(常任理事 柴田 崇晴 )

■総会資料について■
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平成29年6月17日(土)、平成29年度定時総会が開催されます。
会員のみなさまに総会資料を発送いたしました。

■研修のご案内■
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▼平成29年度の<企画研修年間スケジュール>をホームページにア
ップしました。4月以降も様々な研修を開催いたします。多くの皆様
のご参加をお待ちしております!!

企画研修年間スケジュールはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/download/

◎【企画研修】研究発表を学ぶ、京都大会プレ大会~日頃の実践を
事例研究へつなげよう~
[1日目]
日 時:平成29年6月10日(土)10:00 ~ 16:00
場 所:登録会館2階大ホール(京都市中京区烏丸通御池上ル)
[2日目]
日 時:平成29年8月27日(日)10:00 ~ 16:00
場 所:ハートピア京都3階大会議室(京都市中京区清水町375)

講 師:福富 昌城 氏(花園大学社会福祉学部教授)

★2日間の研修を通して、学術大会や研究大会で発表するための事例
研究の手順、抄録やパワーポイントの作成、プレゼンテーションや
ポスターセッションの方法などを学びます。
▲本研修は2日間のカリキュラムです。1日だけの受講はできません。
▲主任介護支援専門員以外の方も受講していただけます。
お申込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/04/h290610_0827.pdf

◎【企画研修】「難病」と医療連携~訪問看護師との連携を学ぶ~
日 時:平成29年7月13日(木)14:00~16:30
場 所:ハートピア京都 4階第4・5会議室(京都市中京区清水町375)
講 師:松久保 眞美 氏(京都府訪問看護ステーション協議会副会長)

★訪問看護師との連携、難病を抱える人の意思決定支援など実際の
連携の方法を学びます。お申込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/05/kikaku07_290713.pdf

◎【企画研修】生活困窮者の実態、そしてケアマネジャーにできる

日 時:平成29年7月24日(月)14:00~16:30
場 所:ハートピア京都 4階第4・5会議室(京都市中京区清水町375)
講 師:吉永 純 氏(花園大学社会福祉学部教授・福祉社会学博士)

★生活困窮者の正しい理解と実態、成年後見制度や生活保護などを
学びます。ケアマネジャーの総合力を高める絶好のチャンスです。
お申込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/05/kikaku08_290724.pdf

■「第11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川」のご案内■
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平成29年8月26日(土)、27日(日)、「地域・かがやき・暮らし~今、
介護支援専門員に求められている役割を果たす~」をテーマに「第
11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川」が開催されます。多
くの介護支援専門員のみなさまのご参加を心よりお待ちしておりま
す。
大会要項・参加および事例研究発表の受付は「大会申込専用ホーム
ページ」をご覧ください。
↓↓↓
https://www.mwt-mice.com/events/2017kaigosien_ishikawa/login
◆発表・抄録原稿は締切済
◆参加申込締切日: 平成29年7月24日(月)

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▼<公益社団法人京都府介護支援専門員会 介護保険情報DVD>
◎最新号各研修会場にて販売中!(税込1,000円)

★役立つ書式、資料等、延べ500ファイル以上掲載。サービス事業毎
に分類されたQ&A、厚生労働省や関係機関からの情報の更新に併せて
内容を随時追加し、バージョンアップを行っています。

詳細と申込書ダウンロードはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/references/cd26/

▼<動画でわかるケアマネジメントプロセスの基本DVD>
◎各研修会場にて好評販売中!(税込1,500円)

★当会が旧介護支援専門員実務従事者基礎研修の運営にあたり、DVD
とCDを作成いたしました。法定研修はもとより、施設や事業所内の
研修にも活用できます。

★内容はケアマネジメントプロセスの解説、特徴は、
・映像を素材としていること。
・運営基準を取り上げていること。
「見せる」ということにこだわったDVDとCDの2枚組。“イケてるケア
マネジャー”“イケてないケアマネジャー”を見ながら演習を進めま
す。2016年5月にタイトルを変更しリニューアルしました。

詳細と申込書ダウンロードはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/references/201605dvd/

■住所・氏名・勤務先等を変更された方へ■
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▲住所・氏名・勤務先等を変更された方は、「住所・氏名・勤務先等
の異動届」をご提出いただきますようお願いいたします。

「住所・氏名・勤務先等の異動届」様式はこちらをダウンロードし
てください↓↓↓
http://kyotocm.jp/secretar/pdf/transfer.pdf

■ひとこと■
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先日、地域包括支援センターに社会福祉協議会から、独居高齢者の
安否確認の連絡が入りました。宅配業者が独居高齢者を訪問しても
応答がなく、心配した業者が社協に連絡。
宅配業者と社協では、数年前に「高齢者の見守り協定」を交してい
ましたが、社協には対象高齢者の個人データはなく、担当圏域の地
域包括支援センターに問い合わせをしてきたという経緯でした。
民生委員や隣近所のつながりの他にも、独居の高齢者には私達ケア
マネジャーが思っている以上に安否を心配している近所の方達がい
ると感じています。
これまでもケアマネジャーが地域の中にあるネットワークを知らな
いばかりに、急なショートステイや入院・入所により本人の所在が
変わってしまったことを、地域の方が把握できず心配する場面があ
りました。
最近は、地域毎に新聞や牛乳販売店などと、行政や社協、民生委員
とのネットワーク化が進んでおり、地域包括支援センターや居宅介
護支援事業所が含まれるネットワークもあります。
今回はケアマネジャーが意図してネットワークを活用出来れば、独
居高齢者の見守りに協力してもらえる力強い味方になると感じたケ
ース対応でした。

(編集委員 塚田 聡)

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