093号 2017/04

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┏┏┏ 公益社団法人 京都府介護支援専門員会
┏┏ ★ メールマガジン ★
┏ 2017/04 ★ 通算093号 ★
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□■2017年4月28日配信 通算093号□■
CONTENTS――――――――――――――――――――――――――
_/_/_/シリーズ 30年同時改定をうらなう(4)
_/_/_/AIケアプラン作成の新会社設立
_/_/_/会報「ケアマネ・ポート」54号発送のご案内
_/_/_/研修のご案内
_/_/_/第11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川のご案内
_/_/_/住所・氏名・勤務先等を変更された方へ
_/_/_/ひとこと
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■シリーズ 30年同時改定をうらなう(4)■
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平成30年の医療・介護同時改定に向けての動きが活発になってきま
した。最新の情報のなかから、ケアマネジメントに関わりが深いも
のを厳選し、メディカル・テン代表の宮坂佳紀氏に連載していただ
きます。

◆◆医療と介護の連携強化策はICTを活用◆◆

4月19日に開催された厚生労働省の「医療と介護の連携に関する
意見交換」は、2018年度診療報酬・介護報酬同時改定に向け、「リ
ハビリテーション」と「関係者・関係機関の調整・連携」の2つを
テーマに議論した。意見交換は3月に引き続き2回目で、初回は看
取りと訪問看護がテーマだった。ここではケアマネジャーに関連す
る「関係者・関係機関の調整・連携」について紹介したい。

医療・介護の連携では、多職種のつなぎ役であるケアマネジャー
を中心とした情報共有が重要との認識でおおむね一致。その上で委
員からは、多忙な医師とケアマネジャーの日常的な連携や、時間や
場所を調整して多職種が集まるカンファレンスの開催は難しいとの
指摘も出た。対応策としては、複数の委員から、ICTの活用などに
よる情報の共有や集約が必要との意見が出ている。

厚生労働省は、高齢者は医療を受けながら介護保険サービスを複
数利用している現状があるとし、医療・介護の関係者や関係機関間
の情報提供や相互理解が重要などと説明。その上で、入退院時の連
携などに関する意見を求めた。

(参考)関係者・関係機関の調整・連携の課題と検討の視点
1.主な課題
○ケアプランの作成・変更に当たって、医療職と介護支援専門員と
の間の連携・理解が不足している場合があるため、特に末期の悪性
腫瘍等の患者へのサービス提供に際して、患者の状態に応じた真に
必要なサービスが迅速に提供されていない場合があるとの指摘があ
る。

○入退院時における居宅介護支援事業者と医療機関との連携につい
て、事業者側からカンファレンスの開催を求めるなどの取組が見ら
れる一方、医療機関の都合に合わせた訪問調整や、情報提供を行う
機会の確保に困難を感じる事業者が多い。

○各医療・介護職種は、それぞれが患者・利用者に関してどのよう
な情報等を求めているかを共有できていないことや、日々の業務で
忙しく、一堂に会することが難しいこともあり、服薬状況や口腔ケ
アマネジメント等に関する情報を含め、相互に必要とする情報が円
滑に共有されない場合があるとの指摘がある。

2.検討の視点
○患者・利用者に対して、その病状や介護の状態に応じて、真に必
要な医療や介護サービスを適時適切に提供する観点から、医療・介
護の関係者・関係機関間の円滑な情報提供・共有、相互の理解とい
った連携の在り方について、どのように考えるか。

交換会で介護給付費分科会のサービス提供側委員は、数十人の要
介護者を担当しているケアマネジャーが全ての担当医と個別に連携
するのは難しいと主張。テレビ会議の導入やICTを活用した情報共
有が必要との考えを示した。加えて、要介護者に対して1人のケア
マネジャーが一貫して担当することが、情報の蓄積や要介護者の安
心につながるとし「それに対する評価を付けてもいいのでは」と述
べた。他の委員(日本介護支援専門員協会会長)は、効率性を考え
ればICTの活用や個別の情報共有が必要とした。他のサービス提供
側委員は、介護現場では利用者の情報が事業者ごとに「断片的に保
管されているため共有されにくい」と指摘。介護現場の情報を集約
し、医療側との共有を検討すべきと主張した。

中央社会保険医療協議会の診療側委員は、入院時の医師とケアマ
ネジャーの情報共有に時間がかかっている現状を踏まえ、末期の悪
性腫瘍など状態の変化が激しい場合には「先に医師の指示の下でサ
ービスを提供しておき、後からケアプランに反映することも検討す
べき」と強調。委員(日本介護支援専門員協会会長)は情報共有体
制の整備などを前提に、ケアプラン変更時のプロセスを緩和し「柔
軟な対応ができるようにする必要がある」と述べている。

2018年度診療報酬改定ではテレビ電話を活用した遠隔診療につ
いての議論も進んでいる。具体的には、医療機関を受診することな
く、スマホなどを活用し慢性疾患やアトピー性皮膚炎の患者と医療
機関の医師間で「遠隔診療」を行うことだ。遠隔診療の普及が進む
と患者の利便性は高まる。また、再診料の加算や慢性疾患指導料な
どは対面診療でなければ算定不可であり、医療費適正化にも寄与す
る。

交換会でも話題となったように「急な退院調整の際、ケアマネジ
ャーから利用者への面談にテレビ電話を活用する等、様々な遠隔技
術の利用策」も検討される可能性はあるだろう。
また、入院の段階から病院看護師がケアマネジャーと連携して入
院計画書を作成し、退院の数日前にはケアマネジャー等の在宅受入
れ側に連絡するというような連携強化策も同時改定のポイントとな
りそうだ。

宮坂 佳紀(メディカル・テン代表/公益社団法人京都府介護支援専
門員会顧問)

■AIケアプラン作成の新会社設立■
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4月17日介護事業を運営する複数社の出資により、AI(人工知能)
でのケアプラン作成を目指す新会社が設立されました。来年4月か
らのサービス開始を目指して、既存のケアプランをAIに学ばせてい
き、「自立支援につながる合理的なケアの実現」や「ケアマネジャー
の負担軽減」を売りにサービス展開していくとして、経済産業省も
後押しを表明しています。
利用者の心身の状態等を入力すれば、ケアプランの原案が自動的
に作成される。それをケアマネジャーが利用者に説明し、本人の希
望等様々な要素を加味して最適なプランが作成されるようですが、
完成品がどのようなものに仕上がるのか興味が沸きます。
必須入力データは何項目くらいになるのか?データが不足する場
合には、自動作成できないのか?その中で、特に私が興味を持つの
は、作成されたケアプランの「評価」です。
ケアマネジャーがケアプラン作成に必要なアセスメント項目を、
初回から全て聞き取ることが出来るとは限りません。ケアプラン原
案を提示してから、モニタリングを重ねる中で、「私のことを分かっ
てくれている、分かろうとしてくれる人」と信頼・安心感を得るこ
とによって、利用者が心を許し、話してくれる言葉の中にこそ「そ
の人の生き方」「守りたい尊厳」が見えてくるのではないかと考えま
す。
時に、忘れてしまいたい大きな失敗や振り返りたくない過去もい
くつかあるでしょう。生活に何らかのサポートを必要とする人のす
べてが、前向きに生きて行こうとされるわけではありません。
「自立支援につながる合理的なケア」が、利用者に窮屈な生活を
強いることもあり、利用者がケアプランに同意しない場面を、私た
ちは経験してきました。
「AIがあなたのために最適なプランを作成しました」
ケアプラン作成マシンが、利用者の希望や価値観、人間関係や生
活環境、地域住民の多様なサービスなどを加味して作成した最適な
ケアプランを、私たちケアマネジャーはどのように説明するのでし
ょうか?
仮に「最適なプラン」に取り組んだ結果、想定していた成果が得
られない場合、「本人の意欲に問題」「取り組みが不十分」など、利
用者本人の未達成要因をはじき出すことが十分に考えられますが、
ケアプラン自体が適正だったのかを誰が評価・判断するのでしょう
か?AIに対し「作成したプランは失敗だった」と、入力したケアマ
ネジャー自身が、逆に「ケアマネとして不適格」と評価されてしま
いかねないのではないかと危惧します。
報道では「社会を良くするために新たな技術を使っていきたい。
AIで自立支援へのパラダイムシフトを起こす。給付費の増大や人手
不足といった課題の解決に挑戦すると意欲を見せた」と新会社の
CEOの言葉がありますが、AIを使って何を目指すのか?「給付費
の増大」に目が行くのは私だけではないはずです。

(理事 塚田 聡)

■会報「ケアマネ・ポート」54号発送のご案内■
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▲4月初旬に会報「ケアマネ・ポート」54号を発送いたしました。平
成29年度3月15日までに平成29年度(2017年度)会費を納入していた
だいた会員様に会員証を同封しております。それ以降にご入金の方
は、「ケアマネ・ポート」55号(10月号)に同封いたします。平成29
年度(2017年度)会費未納の会員様につきましては、会員証の発行
と今後のサービスが停止となりますのでご注意ください。

会費振込先;京都銀行 府庁前支店 普通 4151049
シャ)キョウトフカイゴシエンセンモンインカイ

■研修のご案内■
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▼平成29年度の<企画研修年間スケジュール>をホームページにア
ップしました。4月以降も様々な研修を開催いたします。多くの皆様
のご参加をお待ちしております!!

企画研修年間スケジュールはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/download/

◎【企画研修】「課題整理総括表の実践活用のノウハウを学ぶ~基本
から応用まで~」
日 時:平成29年5月20日(土)10:30 ~ 16:30
場 所:舞鶴西総合会館 3階会議室(舞鶴市字南田辺1)
講 師:川添 チエミ 氏(一般財団法人仁風会財団本部 介護保険・
企画・研修・教育担当部長)

★課題整理総括表の現場での実践・活用を想定した内容です。これ
まで研修に参加されていない方も、基本を学べる機会ですので安心
してご参加ください。お申込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/03/kikaku04_290520.pdf

◎【企画研修】ケアマネジャーができる災害への備え~災害図上訓
練で地域を見渡す~
日 時:平成29年6月2日(金)14:00 ~ 16:30
場 所:ハートピア京都 4階第4・5会議室(京都市中京区清水町375)
講 師:公益社団法人京都府介護支援専門員会 災害対策委員会

★災害に関する基礎知識や災害時におけるケアマネジャーの役割
を「図上訓練」しながら学びます。ケアマネジャーとして普段から
できる備えや実際に災害が起こった時に何ができるのか考える機会
にしませんか?
お申込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/03/kikaku05_290602.pdf

◎【企画研修】研究発表を学ぶ、京都大会プレ大会~日頃の実践を
事例研究へつなげよう~
[1日目]
日 時:平成29年6月10日(土)10:00 ~ 16:00
場 所:登録会館2階大ホール(京都市中京区烏丸通御池上ル)
[2日目]
日 時:平成29年8月27日(日)10:00 ~ 16:00
場 所:ハートピア京都3階大会議室(京都市中京区清水町375)

講 師:福富 昌城 氏(花園大学社会福祉学部教授)

★2日間の研修を通して、学術大会や研究大会で発表するための事例
研究の手順、抄録やパワーポイントの作成、プレゼンテーションや
ポスターセッションの方法などを学びます。

▲本研修は2日間のカリキュラムです。1日だけの受講はできません。
▲主任介護支援専門員以外の方も受講していただけます。
お申込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/04/h290610_0827.pdf

◎【企画研修】失語症状と失語症の方への支援について
日 時:平成29年6月12日(月)14:00~16:30
場 所:ハートピア京都 4階第4・5会議室(京都市中京区清水町375)
講 師:一般社団法人京都府言語聴覚士会

★利用者との対話が困難な場合、利用者の本当の想いをくみ取れて
いるか確信が持てないことがあります。言語聴覚士によるロールプ
レイを見ながら、症状の説明や、失語症の方とのコミュニケーショ
ンの取り方について学びます。
お申込みはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/03/kikaku06_290612.pdf

■「第11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川」のご案内■
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平成29年8月26日(土)、27日(日)、「地域・かがやき・暮らし~今、
介護支援専門員に求められている役割を果たす~」をテーマに「第
11回日本介護支援専門員協会全国大会in石川」が開催されます。多
くの介護支援専門員のみなさまのご参加を心よりお待ちしておりま
す。
大会要項・参加および事例研究発表の受付は「大会申込専用ホーム
ページ」をご覧ください。
↓↓↓
https://www.mwt-mice.com/events/2017kaigosien_ishikawa/login
◆発表および抄録原稿締切日: 平成29年5月18日(木)
◆申込締切日: 平成29年7月24日(月)

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▼<公益社団法人京都府介護支援専門員会 介護保険情報DVD>
◎最新号各研修会場にて販売中!(税込1,000円)

★役立つ書式、資料等、延べ500ファイル以上掲載。サービス事業毎
に分類されたQ&A、厚生労働省や関係機関からの情報の更新に併せて
内容を随時追加し、バージョンアップを行っています。

詳細と申込書ダウンロードはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/references/cd26/

▼<動画でわかるケアマネジメントプロセスの基本DVD>
◎各研修会場にて好評販売中!(税込1,500円)

★当会が旧介護支援専門員実務従事者基礎研修の運営にあたり、DVD
とCDを作成いたしました。法定研修はもとより、施設や事業所内の
研修にも活用できます。

★内容はケアマネジメントプロセスの解説、特徴は、
・映像を素材としていること。
・運営基準を取り上げていること。
「見せる」ということにこだわったDVDとCDの2枚組。“イケてるケア
マネジャー”“イケてないケアマネジャー”を見ながら演習を進めま
す。2016年5月にタイトルを変更しリニューアルしました。

詳細と申込書ダウンロードはこちら↓↓↓
http://www.kyotocm.jp/references/201605dvd/

■住所・氏名・勤務先等を変更された方へ■
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▲住所・氏名・勤務先等を変更された方は、「住所・氏名・勤務先等
の異動届」をご提出いただきますようお願いいたします。

「住所・氏名・勤務先等の異動届」様式はこちらをダウンロードし
てください↓↓↓
http://kyotocm.jp/secretar/pdf/transfer.pdf

■ひとこと■
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毎年4月を迎えると気持ちがどこかソワソワしてしまいます。春は
木々が芽吹く季節、命が躍動するからでしょうか。桜や菜の花、イ
チゴやツクシなど、人によってそれぞれ春を感じるものは異なるで
しょう。ケアマネジメントにおいても、利用者が意欲を持ち「よし、
やってみよう」と躍動する瞬間が大切ではないでしょうか。毎月の
モニタリング、サービス担当者会議など意識的に目標を共有する時
が、「春」のような気がします。そう考えると、ケアマネジャーは時
には桜、時には菜の花といったように、利用者に合わせて変化する
能力が必要かもしれません。マスクや眼鏡でガードされる花粉には
ならないよう気を付けながら、利用者に「春」を感じてもらえる関
わりをしていきたいものです。

(編集委員 中嶋 優)

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